ドライブと音楽
今の車に乗って4年が経とうとしている
そんな時にこのお題を見つけた私、さいとーの車と音楽への思いをここに記しておこう。
自分史上最も高い買い物をした、18の春。
車を買う、持つってことになんの実感もなかった18歳さいとー。
車になんのこだわりもなく、
ただ社会人としての通勤手段で、安くて機能が良ければそれでよかった
父に連れられて新型が出るから、という理由で乗り始めた値下げされた旧型のパッソ。
色もなんのこだわりもなく、残っていた三色のうち一番地味な色を選んだつもり。
そんなパッソくんとの通勤ライフが始まった。
最初は母を助手席に乗せて10数キロの会社までの道のりをゆっくり通い、1ヶ月経つ頃には一人で周りの車と同じように走れるようになった。
あの頃聴いてたのはなんだったかな
back number。
まだ卒業ソングにも引っ張られていたかも。
会社にも慣れてきた初夏
好きな人ができて一緒に祭りにも行けた、これは付き合えるんじゃ?なんて期待は裏切られて先輩は私ではなく私の同期と付き合った。
仕事が終わって車について
めちゃくちゃに泣いた、なんとなく察していたことだけど目の前で見たら悔しくて苦しくて
体調不良も重なって情けなくて
大きな声で小学生みたいに久しぶりに泣いた。
18歳の私がこんなことを家でしていたら
きっと親は心配するからあの時車の中は私の一番くつろげる場所になっていたと思う。
車の中で何回も失恋ソングを流しながら家までの道を帰り続けた日々。がんがんに歌ってやったわ。
仕事で嫌なことがあった時、自分の考えが伝えられなかった時、不甲斐なさと情けなさで涙が止まらなかった。
涙が止まるまで家に帰れなかった。
そんな時も車で過ごした。
それから一年経ってわたしには新しい好きな人ができた。
彼と最初に会った日、わたしの車で桜のある公園へ遊びに行った。
初対面の彼にとてつもなく惹かれてしまったのだ、横顔に、肌の黒さに、話し方に。
あの日は緊張しすぎて車の中でなにを流していたかなんて覚えていない。
でも彼と話した内容は3年経つ今でも鮮明に覚えている。
彼とのドライブはこの日から何度も何度も
今に至るまで繰り返されて重なって積み上げられたかけがえのない時間になっている
県外にも、近くの山にも、遊園地にも、彼の家の裏の駐車場にも車の中での思い出がいっぱいだったりする。
わたしの車だけじゃない、彼の車で流れた曲は、彼が口ずさんで、これお気に入りなんだ、と言ったあの曲はそれから私のお気に入りの曲になった。
彼とは好きな音楽が合う。
今では一緒にライブにも行くようになったなんてことを知ったら、当時の自分はきっと飛び跳ねて喜ぶ。
彼と喧嘩した日、車の中で沈黙が続いて
もう別れるんじゃないか、一緒にいれないんじゃないか、そんな日
お互いの気持ちを話し合って泣かながら抱きしめあったあの日は彼の車で前に私がお勧めした私の大好きな曲が流れていた
"いいことを探しにいくよりも一緒にいれば割とどうでもよくなるさ"
わたしの車で朝まで過ごした日も
遊園地に行く朝、彼の車がパンクして彼の額に汗が滲んでいたことも
海がある公園のあの駐車場で昼寝をしたことも
その時彼がかけた歌も
鮮明でわたしの中の色褪せない大切な思い出だ。
あの時なんとなくで決めたわたしの車は
この4年をかけて何ものにも変え難い、特別で大切な思い出の詰まった乗り物になった
わたしの涙も笑顔も歌声も
全部を包んでくれる大切な場所
こうやって文章にしてみると益々愛おしいや。
そんな君とあと何年一緒にいられるかな。
まだまだ一緒に思い出を作りたい、歌いたい。
語りたい。笑い合いたい。泣き叫ぶ日もあるかもしれない。
わたしがこんなに音楽を聴くようになったのはきっと毎日の通勤時間のおかげ。
その時間に彼の好きな音楽を知る、ライブの予行練習をする、あの日の余韻に浸る、あの時気づけなかった曲の意味を悟る。
運転するという意識の中で無意識に口ずさみ、リズムをとって過ごすあの空間をこれからも。
これからもよろしくねぱっそくん。