怖くてデキる先輩とのしごとの思い出

 

この春、4年間しごとを教わった先輩が転勤する。

 

高校を卒業したばかり、

18歳の本当に何も知らない私。

先輩は本当にいろんなことを教えてくれた。

 

この会社で出会えて良かったと思える人の1番に先輩を挙げる。

 

怖くて仕事のデキる先輩、怖デキ先輩との4年間を残しておこうと思う。

 

先輩は最初からめちゃくちゃ怖かった。

それはもう見た目から。

目が大きくて、背も高くて、見るからに頭が良さそうで、それでいて物腰も柔らかくはなかった。

結構ストレートにものをいう人だった。

 

研修が終わって配属されたその職場は私(18歳)の次に若いのが怖デキ先輩(30歳)で。

干支が同じだったのだよね、、、12歳も上の男性に仕事を教わる、それだけでもど緊張だった。

 

最初の印象のまま私は先輩の前では常に萎縮していた、いやだって本当に怖いのよ。

何が怖い?顔が整っていて目が大きくて、逃さないぞって顔をしているように見えたのです🙃

質問が鋭くて怖かった。

なぜそうしたの?それはどうやって考えたの?どこを見てそう思ったの?

こうするとどうなると思う?

◎さんはどうしたい?

根拠は?証拠は?実績は?

いっぱいいっぱい聞いてくる。

 

根拠と自分なりの理由を持つこと、

分からないならわかるまで知ること。

 

先輩は私を逃さなかった。。。笑

(今はその姿勢で向き合ってくれたことにめちゃくちゃ感謝しています。)

 

ある日の業務、今までに実績のないもので私なりに色々な人に聞きながら進めていた。

先輩への提出、先輩は私が気づけていない視点をポンポンと見つけ指摘していく。

そのやりとりも一つの案件に対して3回目、

これでかんぺき!と思っても再提出をくらう。

その度、他の部署の人への確認作業。

「あなたは現場を知らないんだ、もっと勉強しろ」

「俺たちは機械じゃないんだ、そんなちょうどのものなんて作れない」

自分の中で分かっていたことだけど相手にはきっと私はその点を分かってないように見えてしまったんだろうな。

これでも現場を知らないなりに毎日見学へ行き学んでいたつもりだった。

 

何度もある指摘、製造側の意見、全部がいっぱいっぱいになって仕事中に涙が出てきてしまった、まだ入って一年なのに、まだ私一人じゃやりきれないのに、なんでこんなに責められなきゃいけないんだ。

そんな気持ちが生まれてただただもう放り投げて帰りたかった。

泣いてうまく喋れない中先輩へありのまま伝えた。先輩はうんうん、って目を見ながら聞いてくれた。

わかったよ、って。

◎さんはこれで正しいと思った?って。

私なりに正しいと思って頷いた。

そしたら先輩も

「俺もそう思う、あとは俺が確認するから◎さんは今日は帰りな。鼻水拭いて笑、一人でできないと思ったらそう言って。その時には俺も一緒に考えるから。帰りの運転気をつけて帰るんだよ」

 

先輩は厳しさの中に優しさのある人で。

厳しくしているのではなく、学んで欲しい、単純な先輩なりの疑問、先輩なりの教育の中で自然とそうなっていたのだと気づいた。

 

厳しいけど、何度も細かく指摘してくれたり、業務一つ一つことだけじゃなくて、礼儀や考え方、周りの人のために動く気遣い、そういうものを事細かく教えてくれた。

 

帰り道、たまに声に出しながら自分のできなさ加減を反省しながら駐車場まで歩くことがたまにあった。

「なんで要領よくできないんだ〜…どうしたらいいんだ〜、、」

誰もいないと思っていたら後ろから私を追い抜く怖デキ先輩。

「◎さんこんな時間まで残らなくていいんだよ。やりきれないものは俺に渡してもっと早く帰りな」本当はとても優しい人なんだと思った。

 

私が20歳を迎える誕生日当日、職場の廊下でたまたますれ違った怖デキ先輩に呼び止められた。???と思っていると紙袋。

「◎さん今日誕生日だよね、お誕生日おめでとう!」驚きすぎてドキドキしちゃって嬉しさが溢れたのを覚えてる。

中身はブラックサンダーチロルチョコがたくさん入っていて見た目とのギャップにもやられた。先輩は本当にいろんな面を持っている。

 

そして先輩の転勤の可能性もちらつき始めた社会人三年目。

先輩との関係は相変わらず緊張はあるものの前よりはリラックスして話せるようになっていた。

先輩に突然渡されたのは先輩がやっている他の業務の引き継ぎ資料。それとは別に「◎さんに教えたいことリスト」という名前で、会議についての内容や必要性、法律やら色々。

ひとつ一つに教えるのに何時間くらい必要なのかまで事細かに書かれていた。

 

一緒に一つの業務をやっているときには「◎さんはできる子だから。もっといろんなことを知って自分が楽しいと思うものを見つけて欲しい。あとは現場にいくことこそ俺たちの業務に必要なことだからもっと色んな時間帯に行ったりして知ってほしい」って。

 

先輩と過ごすうちに知ったのは、

本当なとても心配性であること

誕生日や記念日等大切にする人であること

自分なりの考えを持ちつつも人の意見を受けいれようと聞けること

"一緒に"をとても大切にしてくれる人であること

細かく砕いて理解できるように伝えようとしてくれること

本当はめちゃくちゃ口が汚いこと

自分の子供を溺愛していること

 

 

私が初対面でみた先輩からは想像もつかない面がたくさん。

 

そんな先輩が転勤。

さすがに3年経つ頃にはほとんど一人で業務をするようになっていた、それでもちょっとしたミスにも先輩は指摘をくれる。

 

今自分が教える立場にもなっていてどれだけ教えることが大変なのかを理解し始めている。

知れば知るほど先輩がどれだけ素晴らしい人なのかわかっていく。

 

きっと東京でも大活躍なんだろうなあ。

 

あと先輩と過ごせるのも3週間。

きっとまだまだ吸収できることはあるはず。

 

いつかまた会ったとき、成長した姿を見せられるよう努力していこう。

 

本当にでさえて良かったです。

 

とてもとても思い出深き社会人4年間でした。

怖いという印象と同時に、色んな面を見せてくらる先輩の可愛らしさも感じた。

 

逃げない、真正面から向き合ってくれる人と出会えたことは私にとってとても貴重な経験になった。

 

先輩がいなくなってからの日々が怖い。

それでもやっていくしかない。

 

きっと何度も教わったことを残したメモは私の中に怖デキ先輩を作るようなものだ。

なくさず、基本的な部分を大切にしていこうと思う。

 

先輩、本当にありがとうございます。

 

しごとの思い出、から連想されるのはきっとこの先も先輩との4年間のさまざまなエピソード。

 

 

さあ、感謝を忘れず、前向きに、

向き合っていこう。

 

 

 

 

 

 

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